約14億人と、世界一の人口を誇る中国は、リーマンショック後の2010年にGDPで日本を追い越し、アメリカに次ぐ世界第二位の経済大国に躍り出ました。

経済発展が進み、人件費高騰が進むにつれて、コストを抑える意味合いでの中国進出メリットが薄れた反面、個人消費が活発になったことから、中国は製造拠点ではなく、巨大市場として見られるようになってきました。

こうした内需の高まりを受け、世界各国からチャイナマネーを求めて中国に進出する企業が増加傾向にあり、いまや世界の工場から世界の市場へと変化を遂げています。

現在は、2018年に始まった米中貿易戦争の影響もあり、中国経済は減速傾向にあるものの、依然として圧倒的な人口による購買力をもとに、経済は堅調に推移すると見られています。

 

そのような中国へ進出したい、中国企業と取引をしている方向けに、経済に特化した情報を共有いたします。

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基礎から学ぶ中国の経済情報

中国

中国の基礎情報

  • 公用語: 中国語
  • 首都: 北京 (人口:2,180万人、2023年 ※北京市常住人口)
  • 人口: 14億1,200万人(2023年)
  • 国土面積: 約960万km²(日本の約25倍)
  • GDP(名目): 17兆9,650億 USドル ※2023年(日本は4兆2,100億 USドル)
  • 1人あたりGDP(名目): 12,700 USドル ※2023年(日本は3万4,600 USドル)
  • 通貨: 人民元 (CNY)
  • 宗教: 仏教、イスラム教、キリスト教など
  • レポート保有件数: 7,300万件
  • 主要産業: 第一次産業(名目GDPの7.7%)、第二次産業(同38.4%)、第三次産業(同53.9%)
  • 祝日: 11日

貿易情報

2023年のJETROの調査によると、日本と中国の主な貿易品目は以下の通りで、日本の貿易赤字が依然として続いています。

対日貿易の主要品目(構成比)

  • 日本の輸出: 電気機器およびその部分品(27.3%)、原子炉、ボイラーおよび機械類(21.2%)、鉄道用および軌道用以外の車両(9.8%)、光学機器、写真用機器、映画用機器、測定機器、検査機器、精密機器および医療用機器(8.9%)、プラスチックおよびその製品(5.5%)など

  • 日本の輸入: 電気機器およびその部分品(29.8%)、原子炉、ボイラーおよび機械類(16.8%)、衣類および衣類附属品(メリヤス編み、またはクロセ編みのものに限る)(5.0%)、衣類および衣類附属品(メリヤス編み、またはクロセ編みのものを除く)(4.7%)、玩具、遊戯用具及び運動用具(3.0%)など

(単位:100万ドル)

出所:Global Trade Atlasよりジェトロ作成

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中国企業との取引で気をつけたい4つのポイント

中国と日本の商習慣は、同じアジアでも大きく異なります。

ここでは、代表的な商習慣について、ご説明いたします。

 

1.合理主義で価格に厳しい

価格を重視する傾向が強く、品質や耐久性ではなく、いかに安く(お得に)必要なものを調達できるかに焦点が当てられるため、価格交渉は避けることができません。

しかし、価格にさえ納得すれば、判断が早いため、即決になることが多いようです。

 

2.面子(メンツ)を気にする

中国人は人前で恥を書くことを最も嫌います。

そのため、商談の場では、理不尽な要求があったとしても、担当者の面子を潰さないように、対応に最大限配慮する必要があります。

例えば、値下げができない場合はおまけを付ける、保証期間を長くするなど、相手が特別感を感じるオファーを提供することがスムーズに取引を成立させるコツといえます。

 

3.支払いぶりが悪い

中国の経理担当者の仕事は、「取引先との関係を悪化させることなく、いかに自社の支払いを遅らせることができるか」と言われており、中国企業の支払いぶりが悪いことは世界的に有名です。

そのため、前払いもしくはL/C取引などの対策が不可欠です。また契約の段階から、条件を事細かに契約書に記載しておくことも重要といえます。

 

4.撤退が困難

外資系企業の会社清算は、手続きが煩雑かつ、中国当局からの清算の許認可を得ることが難しく、また合弁企業については、企業内の最高意思決定期間である董事会に出席した董事の全員一致決議が必要となっており、中国側の一人でも反対をすれば清算をすることができないため、現実的ではありません。そのため、持ち分を破格の値段で合弁相手に譲渡して撤退するケースも多くなっています。

中国進出を検討する際には、現地パートナーと手を組むか、単独での進出をするか、慎重に決断をする必要がありそうです。

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中国企業の財務情報は9割の確率で入手可能

決算書

中国では、全ての有限責任公司が工商行政管理局(AIC)に監査済みの決算書を提出する必要があります(外国企業含む)

また、公開企業の場合、上場区分によって半年、もしくは四半期ごとに監査を受けた財務情報を提出する必要があります。ただし、無限責任会社には、その義務はありません。

公開企業を除き、財務データの提出は原則任意ですが、税金の非申告の場合は、罰金が発生し、最悪の場合は企業活動を停止させられたり、経営者や株主が政府の社会的信用情報システムのブラックリストに登録されることがあるため、提出率は非常に高くなっています。

決算期は12月と一律で定められており、7月頃に決算書が入手可能になります。ただし、企業によっては、10月頃になって入手できる場合があります。

クレディセイフでは、中国で唯一上場している信用調査会社と提携し、工商行政管理局(AIC)、国家統計局(NSB)といった公的機関から情報を入手し、レポートを作成しています。

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中国企業の時価総額トップ5 ※Forbes Global 2000より

時価総額トップ、ECサイトを展開するAlibabaは、アジア最大の企業であり、2016年3月期の決算では、一年間の流通額がウォルマートを超え、世界最大の流通小売企業となりました。

2位のTencent Holdingsは、微信(英語名:WeChat)と呼ばれるメッセンジャーアプリを運営する企業で、「クラッシュ・オブ・クラン」や「League of Legends」などを手がける有名ゲーム会社を複数傘下に置いています。売上高では、ソニーや任天堂をしのぎ、ゲーム業界世界最大手の企業になっています。

また、両者は、QR・バーコード決済サービスにおいて熾烈なシェア争いを繰り広げており、Alibabaが展開する支付宝(英語名:Alipay)とTencent Holdingsが展開する微信支付(英語名:WeChat Pay)はキャッシュレス決済が急速に広がる中国において、人々の生活に欠かせないものとなっています。

 

※2019/4/3時点、売上高は百万ドル、日本円は110円換算

 

5位 PetroChina(石油・ガス)

時価総額:$220,200M(24兆2,200億円)

 

4位 China Construction Bank(銀行)

時価総額:$261,200M(28兆7,320億円)

 

3位 ICBC(銀行)

時価総額:$311,000M(34兆2,100億円)

 

2位 Tencent Holdings(インターネットサービス、ゲーム)

時価総額:$491,300M(54兆430億円)

 

1位 Alibaba(情報・通信)

時価総額:$499,400M(54兆9,340億円)

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