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フランス進出で知っておきたい商習慣・経済情報

エッフェル塔や凱旋門、ルーブル美術館など観光資源の豊富なフランスは、外国人旅行者数ランキングで不動の1位を誇り、2017年には自国の人口を超える8,692万人の旅行者がフランスを訪れています(2017年の訪日外国人旅行者数は2,869万人で、日本の約3倍)。

芸術の都として名高い首都パリを中心に年間を通してあらゆるジャンルの国際見本市が開催され、特に「パリコレ」や「カンヌ映画祭」は日本のメディアにも大きく取り上げられることがあり、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

フランスを訪れる旅行者の実に4割がこういった見本市への訪問を目的としたビジネス出張者といわれており、最先端のトレンドや一流の商品を求めるバイヤーが世界中から集まります。

そのようなフランスへ進出したい、フランス企業と取引をしている方向けに、経済に特化した情報を共有いたします。

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Chapter 1

基礎から学ぶフランスの経済情報

フランスの基礎情報

公用語:フランス語
首都:パリ(人口210万人、2023年)
人口:6,790万人(2023年)
国土面積:約63.3万km²(日本の約1.7倍) ※海外領土を除くと約55.2万km²(全国土面積のうち、国外領土は約13%)
GDP(名目):3兆100億 USドル(2023年、日本は4兆2,000億 USドル)
1人あたりGDP(名目):4万4,000 USドル(2023年、日本は3万4,000 USドル)
通貨:ユーロ (€) (EUR)
宗教:カトリック、イスラム教、プロテスタント、ユダヤ教
レポート保有件数:2,100万件
主要産業:化学、機械、食品、繊維、航空、原子力、情報技術、製薬等
祝日:11日
民族:フランス人(ケルト人、ラテン人およびチュートン人の混血)、少数民族(バスク人など)、移民

フランスの移民と社会

フランスという国家を語る上で、移民の存在は切り離せません。フランスは移民の割合が高い国の一つで、全人口の約10%を移民が占めています。

かつて、労働力確保のためにスペイン、ポルトガル、北アフリカ諸国(リビア、チュニジア、アルジェリア、モロッコ等)から多くの移民を受け入れていましたが、1973年のオイルショックを契機に、移民受け入れを一時停止しました。

その後の経済の低迷とともに、移民の失業率は高まり、特に北アフリカ出身者の失業率は20%を超えています。これにより、移民に対する社会保障費の増大や犯罪率の上昇が問題視され、フランス国内で反移民感情が高まっています。

フランスの経済

フランスには、多国籍企業の本社やユネスコなどの国際機関が多く集まり、ドイツやイギリスと並ぶ先進国としての存在感を示しています。

一方、農業も非常に盛んであり、小麦、大麦、とうもろこし、てんさい(砂糖)などの生産が主力です。食料自給率は120%を超えており、フランスは「ヨーロッパのパン籠」としても知られています。

貿易

フランスの貿易において、輸入・輸出の最大の相手国はドイツです。輸出においては、アメリカ、イギリス、スペインなどの西欧諸国が上位を占めています。輸入においては、中国が2位となり、その存在感が際立っています。日本はトップ10に入っていません。

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財布の紐が固いフランス人

EU加盟国の中でドイツの次に経済規模が大きく、1人あたりのGDPでは日本を凌ぐフランスですが、高所得世帯と低所得世帯の間にはれっきとした格差が存在しています。

そのため庶民の多くは価格に非常に敏感で、堅実な消費性向を持っているとされています。

また、フランス国民には古いものを大切にするという考えが根付いており、伝統や職人技術に対して一定の理解があります。

保守的で流行に流されにくい気質を持つ国民性ですが、商品の背景や作り手の想いをじっくりと伝えることで息の長いファンになってもらえるかもしれません。

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フランス企業の財務は比較的入手しやすい

一部の企業形態を除き、決算書開示義務があるため決算書の入手率は比較的高くなっています。

決算は12月期の企業が多く、決算期から約10ヶ月後~12月後に決算書が入手可能になります。

クレディセイフでは、産業財産庁(INPI)や民事・商事公告公報(BODACC)を初めとした様々な公的機関から情報を入手し、オンラインレポートを毎日更新しています。

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フランス企業の売上高トップ10

売上高トップのAXAは、世界最大級の保険会社で、日本ではアクサ生命保険やアクサ損害保険といったブランドで知られています。

また、10位のルノーは、日産自動車を傘下に収めており、社長のカルロスゴーン氏は日産自動車をV字回復させた立役者として有名です。

最近では、相次ぐ不祥事により業績が低迷していた三菱自動車の筆頭株主になり、同社の会長に就任しました。

今後どのような改革を行い、信頼を回復させていくのか。ゴーン氏の経営手腕に注目が集まっています。

※2018/9/27時点、売上高は百万ドル、日本円は110円換算

10. Renault

売上高:7兆2,872億円

  • CEO:ティエリー・ボロレ
  • セクター:自動車・部品
  • 業種:自動車・部品
  • 本社:ブローニュビヤンクール
  • http://www.groupe.renault.com
  • Global500掲載数:24
  • 従業員数:181,344名

9. Societe Generale

売上高:7兆6,943億円

  • CEO:フレデリック・オウデア
  • セクター:金融
  • 業種:金融
  • 本社:パリ
  • http://www.societegenerale.com
  • Global500掲載数:22
  • 従業員数:153,168名

8. Peugeot

売上高:8兆857億円

  • CEO:カルロス・タバレス
  • セクター:自動車・部品
  • 業種:自動車・部品
  • 本社:リュエイユ-マルメゾン
  • http://www.groupe-psa.com/fr/
  • Global500掲載数:24
  • 従業員数:177,757名

7. Engie

売上高:8兆2,810億円

  • CEO:イザベル・コッチャー
  • セクター:エネルギー
  • 業種:エネルギー
  • 本社:クルブヴォア
  • http://www.engie.com
  • Global500掲載数:23
  • 従業員数:155,128名

6. Electricite de France

売上高:8兆6,341億円

  • CEO:ジャン=ベルナール・レヴィ
  • セクター:エネルギー
  • 業種:ユーティリティ
  • 本社:パリ
  • http://www.edf.fr
  • Global500掲載数:24
  • 従業員数:151,073名

5. Credit Agricole

売上高:9兆2644億円

  • CEO:フィリップ・ブラサック
  • セクター:金融
  • 業種:金融
  • 本社:パリ
  • http://www.credit-agricole.com
  • Global500掲載数:24
  • 従業員数:73,707名

4. Carrefour

売上高:10兆404億円

  • CEO:アレクサンドル・ボンパール
  • セクター:食料品店
  • 業種:食料品店
  • 本社:ブローニュビヤンクール
  • http://www.carrefour.com
  • Global500掲載数:24
  • 従業員数:378,923名

3. BNP Paribas

売上高:12兆9,113億円

  • CEO:ジャン=ローラン・ボナフェ
  • セクター:金融
  • 業種:金融
  • 本社:パリ
  • http://www.bnpparibas.com
  • Global500掲載数:24
  • 従業員数:189,509名

2. Total

売上高:16兆4,010億円

  • CEO:パトリック・プヤンネ
  • セクター:エネルギー
  • 業種:石油精製
  • 本社:クルブヴォア
  • http://www.total.com
  • Global500掲載数:24
  • 従業員数:98,277名

1. AXA

売上高:16兆4,410億円

  • CEO:トーマス・ブーベル
  • セクター:財務
  • 業種:保険
  • 本社:パリ
  • http://www.axa.com
  • Global500掲載数:24
  • 従業員数:95,728名
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