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フィリピン進出で知っておきたい商習慣・経済情報

フィリピンは、ASEANの中でインドネシアに次ぐ2番目の人口を有し、アジアの中で最も*人口ボーナスが続く国と言われています。

人口約1億人のうち、40%以上が20歳未満と、豊富な若年労働力と旺盛な消費意欲を背景に、毎年のようにGDP比6%~7%の高い成長を続けています。

また、公用語として広く英語が活用され、国民のほとんどが英語を流暢に話すことができるため、IT-BPO産業(オフショアリング)等のサービス業従事者の割合が約6割を占めています。

教育水準の高い人材を安価で雇用できるメリットがある一方で、インフラに課題を抱えており、特に道路や鉄道などの物流インフラが整っていないこと、電力料金が高いことが指摘されています。

これにより製造業の発展が遅れていることから、現ドゥテルテ政権では、インフラ整備を最重要課題として位置づけ、「Build Build Build」というスローガンの下、2022年までに17兆円という大規模な予算を投下すると公言しており、インフラ整備を急ピッチで進めています。

この公約の甲斐もあってか、フィリピンを中国やベトナムのような製造拠点として見る動きや、今後の人口増に伴う需要拡大を見据え、現地市場を狙う外資系企業も増えてきています。

日本企業の進出例を挙げると、和民や牛角、らーめん山頭火などの外食産業をはじめ、2012年にファーストリテイリングが、2014年にはローソンが出店を果たすなど、日本企業の進出が加速しています。

 

*人口ボーナス…総人口に占める働く人の割合(15歳~64歳の人口)が上昇し、経済成長が促進されることを指す。

 

そのようなフィリピンへ進出したい、フィリピン企業と取引をしている方向けに、経済に特化した情報を共有いたします。

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Chapter 1

基礎から学ぶフィリピンの経済情報

フィリピンの基礎情報

公用語:フィリピノ語、英語
首都:マニラ首都圏(NCR) (人口:約1,400万人,2023年)
人口: 約1億1,300万人(2023年)
国土面積: 約30万km²(日本の約0.8倍)
GDP(名目):4,250億 USドル ※2023年(日本は約4兆2,100億 USドル)
1人あたりGDP(名目):3,800 USドル ※2023年(日本は約3万9,000 USドル)
通貨:フィリピン・ペソ(PHP)
宗教:カトリック教(約80%)、その他キリスト教(約10%)、イスラム教(約6%)など
主要産業:農林水産業(全就業人口の約20%が従事)、コールセンター事業やIT関連のビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)産業が大きく成長(全就業人口の約60%が従事)
祝日:14日

対日貿易の主要品目(構成比)

日本の輸出

  • 電気機器 27億 USドル(約25%)〔うち、集積回路 7億 USドル(約6.5%)〕
  • 輸送用機器 20億 USドル(約18.5%)〔うち、貨物自動車 6億 USドル(約5.5%)〕
  • 一般機械 19億 USドル(約17%)
  • 光学機器 6億 USドル(約5.5%)
  • 鉄鋼 5億 USドル(約4.5%)

日本の輸入

  • 電気機器 36億 USドル(約36%)〔うち、電気ケーブル 10億 USドル(約11%)〕
  • 一般機械 10億 USドル(約10.5%)
  • 木製品等(除家具) 9億 USドル(約9%)
  • 果実 9億 USドル(約9%)
  • ニッケルおよびその製品 6億 USドル(約6%)
  • 鉱石、スラグおよび灰 4億 USドル(約4%)

(単位:100万ドル)

出所:マレーシア投資開発庁よりジェトロ作成

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日本とフィリピンの貿易関係

日本とフィリピンの貿易関係は、長年にわたり深化を続け、現在では両国にとって重要な経済的結びつきとなっています。フィリピンから日本への主要輸出品は、電気機器、輸送用機器、一般機械であり、特に電気機器がフィリピンの経済を支えています。

一方、日本からフィリピンへの主要輸出品には、集積回路や光学機器があり、これらはフィリピンの製造業に欠かせないものです。フィリピンは依然として貿易赤字が続いていますが、これは国内市場の成長や製造業の発展に伴う輸入需要の増加によるものです。

今後、両国間の貿易関係はさらに強化される見通しです。日本からの技術移転や投資が進むことで、フィリピンの産業基盤が一層強化され、貿易拡大が期待されています。また、両国は経済連携協定(EPA)のもとで貿易障壁を取り除き、今後も相互の経済成長を促進する関係を築いていくでしょう。

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フィリピン企業の財務情報は高確率で入手可能

フィリピンでは、全ての企業が決算書を決算日から105日以内にフィリピン内国歳入庁(BIR)へ提出する義務があります。

決算期は12月の企業が多く、原則7~9ヶ月後に、決算書が入手可能になります。

クレディセイフでは、様々な公的機関、および現地の有力なパートナーから情報を入手し、レポートを作成しています。

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フィリピン企業の売上高トップ5 ※Forbes Global 2000より

※2019/5/22時点、売上高は百万ドル、日本円は110円換算

5位 BDO Unibank(銀行)

売上高:$3,400M(3,740億円)

  • CEO: Nestor Tan
  • Industry: Regional Banks
  • HQ Location: Makati City
  • Website: https://www.bdo.com.ph/
  • Employees: 34,000

4位 Ayala(コングロマリット)

売上高:$5,200M(5,720億円)

3位 JG Summit Holdings(コングロマリット)

売上高:$5,300M(5,830億円)

2位 SM Investments(小売、ショッピングモール)

売上高:$8,500M(9,350億円)

1位 Top Frontier Investment Holdings(石油・ガス)

売上高:$19,000M(2兆900億円)

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