与信管理を主体となって行う担当者は、企業規模によって変わってきます。中小企業では経営者クラスが、大企業では専門部署が対応するケースが多いです。
取引先が限定されている場合は、経営者が全ての取引に目を光らせることができます。
大企業であれば、審査部やリスクマネジメント部といった審査を担当する専門の部署が行っています。
なお、中小企業の多くでは、取引の意思決定こそ経営者がするものの、実務は財務/総務の担当者が兼任していることが一般的です。
加えて、与信管理業務には、決算書を読み解く力や契約書等の法律文書を理解する能力が不可欠です。
そのため、会計や法律の知識に明るく、そして入出金管理を通じて取引先の支払振りを把握している財務担当者が適任なのです。
ただし、兼任での業務にも限界があるため、取引先社数が200~300社を超えると、専任の与信管理担当者をおいたほうがよいと云われています。
大企業では、取引先を審査する与信管理業務自体に予算が割り振られていることから、専任のチームがあります。
公認会計士や弁護士等の専門家が顧問として関わっているケースも珍しくありません。
そのため、取引先の決算数値が判明する時期に合わせて複数の信用調査会社経由で企業情報レポートを取り寄せ、分析したうえで新たな取引金額を決めるといったことが可能となります。
しかし、中小企業では、少数精鋭で業務しているため、企業情報レポートの取得に多額の費用をかけることや、決算書の深く読み込んで与信判断をすることは現実的ではありません。
そのため、中小企業では、取引先と直に接する営業担当者と連携をとりながら取引先管理をしていく、フットワークの軽さを活用することが重要となります。
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