Open Accountは最も一般的な支払方法
Open Account(オープンアカウント)
これは、欧米の企業間取引において最も一般的な支払方法で、無担保の与信取引を指す。
実際の支払手段によって、Check (小切手)またはBank Remittance (銀行送金)で支払われるが、実務上は圧倒的にTelegraphic Transfer (電子送金)で行う。
国内取引の銀行振込みによる決済と同じで、債権回収のリスクが高いため、格付けの高い国の、格付けが高いバイヤーに対してのみ適用する支払条件といえる。
オープンアカウントでは 、支払期日までの期間は 一般的に30日-90日程度である。
この期間は与信管理上、非常に重要で、請求書の日付、出荷日、商品の受領日のどれをもとに設定するかによって大きく変わるが請求の日付を起算日とする場合が多い。
では、そのほかの支払条件も見ておこう。
販売代理店との契約において採用される支払条件が次の二つだが、双方ともに格付けの高い大企業向けである。
その他の支払条件
Consignment(委託契約)
これは先進国の有名な大企業向けの支払条件で、輸出者にとって最もリスクの高い支払方法である。
販売代理店の契約においてよく採用される支払条件で、代理店がエンドユーザーに再販できてから販売実績に応じて支払いを受けるという方法である。
委託契約では、基本的に代理店に商品買取りのリスクはなく、一定期間販売できない場合は返品できる。
輸出者にとってはつねに返品リスクを抱え、最悪の場合は代理店がエンドユーザーから受領した商品代金を流用する可能性もある。
非常にリスクの高い契約、支払条件であまりお勧めできない。
Minimum Guarantee(最低保証)
この方法では、海外のバイヤーは、通常は輸出者に請求金額の最低金額、つまり運賃や商品の FOB (Free On Board) 価格の数パーセントを支払う (FOB価格とは、商品を積出し港で買い手に渡すときの値段のこと)。
そして、商品がエンドユーザーに販売できた段階で残高を支払う。
委託契約のように商品が再販できるまで支払義務はないが、委託契約との違いは返品ができないという点だ。
注文と価格が確定しているという点で、委託契約よりは保証されている。
しかし、この支払条件も基本的に支払期日のない後払いであり、非常にリスクが高い。
※出典:「海外取引の与信管理と債権回収の実務」(牧野和彦著、日本実業出版社刊)