信用調査会社を利用すべき5つの目的
習慣的に利用している企業もあると思いますが、信用調査会社を利用する目的は次の5つに集約できます。
(1)客観的な評価の入手
客観的な評価というのは、信用調査会社独自の評価指標である「格付け」「評点」「スコアリング」などのことです。
こうした第三者の評価指標と自社の評価指標を比較して与信判断を下します。
(2)調査時間と費用の節約
信用調査会社が提供する情報には、独自性がなく、公開情報や上場企業の決算書などです。
事実、自分で入手できる情報も多いのです。
しかし、新規取引先の多い企業などでは、新規案件を審査するたびに1件1件マニュアルで調査をしていては、必要な時間内に処理できません。
調査をする社員の人件費を考えると、企業データベースを保有する信用調査会社から信用調査データやレポートを入手する方が、はるかに効率的かつ低費用です。
(3)独自調査情報の把握
信用調査会社などでは、独自の調査結果による手形情報、マイナス情報、噂の域を出ないような周辺情報を収集分析しています。
特に中小の興信所や探偵事務所など小規模会社は、業種に特化した専門分野を持っていますので、用途に応じて使い分けると有用です。
(4)匿名調査活動の実行
日本企業が、信用調査会社を利用するもっとも大きな理由の1つで、調査を行っていることを顧客に知られたくないというニーズは根強いものがあります。
競合企業とのコンペや地道な営業活動の結果、開拓した顧客に対し、信用度を調査することで信頼関係を壊したくないと考えるのは当然のことです。
(5)リスクマネジメント
これは、どちらかといえば副次的な必要性です。
たとえば、与信取引の相手が倒産して売掛金が完全に回収できなくなった場合、リスクマネジメント上では、組織として適切な審査を行っていたかが重要なポイントになります。
与信管理の一環として信用調査会社のレポートや格付けを入手してあれば、組織として与信管理のプロセスを守っていたという証拠になります。