驚きの回収手法。回収は電話で
第三者としての回収が、コレクション・エージェンシーの最も一般的なサービスで、債権者の代わりに、コレクション・エージェンシーの社名を出して回収活動を行う。
第三者からの督促ということで、債務者にプレッシャーを与えるわけである。
コレクション・エージェンシーは回収に関する様々なノウハウや技術を有しているが、回収の手法自体はいたってシンプルで、督促状、FAX 、電話、電子メールが中心で訪問するということはあまりない。
これは、日本と違い債務者を訪問すること自体が、身体的な危険を伴う場合があること、そして効率が悪いからである。
一般的に、Personal Collectorと呼ばれる回収担当者は圧倒的に女性の比率が多い。
女性の方が男性より回収率が高いという明確なデータがあるのだ。
また、回収手法が電話中心で、女性の方が債務者も応対しやすい、地道なフォローアップが必要な業務には女性が向いている点も理由として挙げられる。
あるコレクション・エージェンシーでは、Personal Collector と呼ばれる担当者の実に8割は女性である。
これは、督促業務は根気の要る細かい仕事で、かつまめに債務者をフォローしなければならないので、女性の方が向いているという経験則から来ている。
反対に、日本やアジア企業の回収担当者は男性も多い。
伝統的に債権回収のような手荒な仕事は男性という偏見や、男性の低い声が信用されるという文化的背景もある。
また、債務者を訪問して回収することも一般的であるということが大きな要因だ。
※出典:「海外取引の与信管理と債権回収」(牧野和彦著、税務経理協会刊)