#20 裁判以外の解決策~ADRという選択肢~

海外取引のはじめかたと知っておくべきリスク管理

※提供は法人のみ

ADRという言葉をご存知ですか?

 

ADRとは、Alternative Dispute Resolution (裁判外紛争処理)のことで、裁判によらない紛争の解決策を指す。

具体的には、和解、仲裁、調停、斡旋などがある。海外取引で最もよく使われるのが、Arbitration (仲裁)である。

 

仲裁の場合は当事者双方に対する強制力が認められている。

裁判ではなく、仲裁を活用するには契約書にその旨を定めた仲裁条項を記載しておく必要がある。

契約当事者は紛争解決の手段として、裁判か仲裁のどちらかを事前に選択することになる。

もうすでに紛争が起こっているものについては、紛争の解決方法に仲裁を採用する旨の仲裁合意をする必要がある。

 

参考までに一般社団法人日本商事仲裁協会の商事仲裁規則により仲裁を行う場合の推奨仲裁条項(英文、和文)を下記に記す。

All disputes, controversies or differences which may arise between the parties hereto, out of or in relation to or in connection with this Agree­ment shall be finally settled by arbitration in (name of city), Japan in accordance with the Commercial Arbitration Rules of The Japan Com­mercial Arbitration Association.

この契約からまたはこの契約に関連して、当事者の間に生ずることがあるすべての紛争、論争または意見の相違は、(一社)日本商事仲裁協会の商事仲裁規則に従って、日本国(都市名)において仲裁により最終的に解決されるものとする。

ADRの仕組みを図解。仲裁の合意を得るところから始まり、仲裁の申立て、仲裁人の選任、審理手続きを経て、仲裁判断がくだされる。仲裁判断は、国際的強制力がある。

※出典:「海外取引の与信管理と債権回収」(牧野和彦著、税務経理協会刊)

海外取引のはじめかたと知っておくべきリスク管理

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リスク管理の観点から、はじめての海外取引のポイントを初心者の方でも分かりやすいように基礎からまとめました。

 

目次(一部抜粋)

  • 海外取引の代表的な支払条件~Advance PaymentとL/C~
  • 契約時にできるリスク管理(契約書のサンプルあり)
  • 海外取引に利用できる二つの保険とは~貿易保険~
  • 海外では一般的。コレクション・エージェンシーとは
  • 機密性の高い情報が手に入るトレード・レファレンス

海外取引のはじめかたと知っておくべきリスク管理