▼コンプライアンスチェックについて、こちらで詳しく解説しております
闇営業騒動で芸能界と反社会勢力との接点が注目されていたことが記憶に新しいですが、近年、反社会的勢力との取引や関係が社会問題化しています。
企業においても、不正な取引やトラブルを回避するために、反社会的勢力との関係を持たないようにすることが求められています。
本記事では、企業が最低限押さえておくべきポイントを紹介いたします。
「反社チェック」とは、反社社会的勢力(暴力団、反グレ集団などの犯罪組織及びその協力者たち)との関わりがある人物や組織(取引先を含む)が取引先企業やその役員・株主のなかにいないかチェックし、反社会的勢力との関わりを排除していく活動のことです。
取引を始める前に、コンプライアンスチェックやKYCを企業ポリシーとして掲げる企業は多くありますが、反社チェックはこの部分のプロセスにあたります。
※コンプライアンスチェック・KYC -反社チェックを含め、身元確認、UBO(実質的支配者)の特定、外国PEPs(政治的に重要な公的地位を有する者)および制裁スクリーニング、AML(アンチ・マネー・ローンダリング)などのチェックを取引の前に行うこと。
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反社会的勢力(反社)とは、「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または個人」のことを指し、暴力団のほか、暴力団関係企業、総会屋、特殊知能暴力集団、反グレ集団などが挙げられます。
しかし、最近ではこのように定義するのは困難とされています。その理由として、犯罪組織が実態を隠ぺいし企業活動や政治活動を行うなど、組織の不透明化や複雑化する動きを強めていることが挙げられます。
表向きは一般企業ですが、暴力団関係者が経営に関わる企業や暴力団への資金協力を行っている「フロント企業」というのも存在します。
「指定暴力団」に属する構成員については警察も把握していると言われていますが、上記のような警察すら把握しづらい反社が増えているというのが現状です。
政府は、平成19年6月19日犯罪対策閣僚会議幹事会申合せとして「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を策定し、企業が反社会的勢力との関わりを回避し被害の防止するための基本的な理念や具体的な対応措置を示しました。 (この指針は、法務省ホームページに全文が公開されており、以下の項目から構成されています。)
「暴力団排除条例」(暴排条例)とは、暴力団との関わりを規制し、住民の安全かつ平穏な生活を確保し、事業活動の健全な発展に寄与することを目的として定めらた地方公共団体の条例である。
この条例は、平成23年4月1日に全国初となる暴力団排除条例が福岡県で制定され、以降、都道府県単位での制定が広がり、平成23年10月1日をもって、47 都道府県において「暴力団排除条例」が施行されました。
特に企業が注意すべき責務として、ほとんどの都道府県の条例で規定されているのが下記内容になる。
みかじめ料や用心棒代など暴力団の活動を助長するような供与もちろん、一般的な契約や取引を含め暴力団の運営になることを知って利益を与えることを禁止しています。
契約を締結する際に、当該契約が暴力団員による不当な行為を助長することがないよう、契約書等に「暴力団排除条項」(暴排条項)を設けるよう努力する義務が課せられています。
「暴力団排除条項」とは、契約の相手方または代理者・媒介者が暴力団関係者であることが判明した場合に、契約を無催告解除できるように定める契約条項を指します。
暴力団排除条例の施行に合わせて、暴力団排除条項を追加し契約書を改訂した企業も多いと思いますが、まだ契約書を改訂を行っていない場合、暴力団排除条項を契約書へ追加したほうがよいでしょう。
不動産の所有者や不動産業者は、暴力団事務所の使用や暴力団関係者の利用と知ってたうえで、不動産を譲渡または賃貸すること(不動産業者においてはこれを代理・媒介すること)を禁止しています。
暴力団排除意識の高い企業であったとしても、知らずにフロント企業や暴力団関係企業と取引を行ってしまう可能性があることを考えると、企業単位での反社対策をより一層徹底する必要があります。
暴力団排除条例(暴排条例)にともない、反社会勢力となんらかの付き合いや取引を行った場合「被害者」という認識でいると大間違いです。反社会勢力の活動を助長したとして「加害者」とみなされてしまうことを理解しておく必要があります。
反社会的勢力との取引が判明した場合には、悪評や罰金を受けるだけでなく、行政処分や上場廃止などさまざまなリスクが生じます。
そこで企業がすべき反社対策として、「暴力団等反社会的勢力ではないこと等に関す表明 ・ 確約書を交わす 」と「反社チェック」の2つが最低限必要な対策といえるでしょう。
反社会勢力との関わりを排除するためには重要な反社チェックの方法はいくつかあり、それらの方法によって得られる情報量に違いがあります。
法人名や取締役などの氏名を「暴力団」「総会屋」「検挙」「摘発」などといったキーワードを検索。
インターネットの検索エンジンや新聞各紙が提供しているものを利用し、ネット記事や新聞記事を一括でスクリーニングする方法です。
インターネット検索は無料で費用が掛からないが、情報が膨大なこともあり、すべての情報を把握することが難しいとされています。
業界によりますが、独自の反社データベースが構築されている団体があり、反社情報の照会や反社チェックができる場合があります。
また、業界を問わず反社データベースを照会できるサービスを提供している団体もあります。
自社で調査を行う場合は、調査を行った方法、プロセス、検索結果のスクリーンショットなど反社チェックを行った証拠を保存しておくことが重要です。
しかし、インターネットによる調査は、反社チェックのための情報源ではないので、怪しいと思われる取引先が出てきた場合は、より確度の高い調査サービスや外部業者を利用した方がよいでしょう。
警視庁の組織犯罪対策第三課や公益財団法人暴力団追放運動推進都民センターへ相談しデータの照会することで反社チェックを行うことも可能です。
しかし、確認したい相手の氏名、生年月日などの資料や必要書類等を準備する必要があります。
調査会社・外部業者のサービスを利用する方法で、民間企業には、素性調査を専門に行っている企業や、信用調査会社で反社チェックなどを行うサービスを提供している企業があります。
独自ルートで収集した情報や蓄積データを元に、人物/企業に対して調査を行うことができ、自前調査よりも幅広い情報を入手することができます。
このような調査によって、反社会勢力の可能性が発見された場合は、警察や各都道府県に設けられている、暴力追放運動推進センター(暴追センター)に相談をするようにしましょう。
電話やメールでの受付も行っているので、危険度が高いと感じた場合には早めに活用するのが賢明でしょう。
反社会勢力に関する表明・確約書は、取引を開始する際に、反社会的勢力との関わりがないことを表明させ「この表明に背いた場合や虚偽の申告をした場合には、無催告で解約に応じる」、「これによって生じた 損害を自分の責任とする」などを確約させる文書です。
反社チェックは、どちらかといえば暴力団の撲滅を目的に、日本国内で作られたコンプライアンス概念ですが、米国OFACでは暴力団を犯罪組織と認定しています。
Creditsafeのコンプライアンスチェックでは、米国OFACを含むさまざまなデータを元に企業・個人のチェックを行うことが可能です。
サービスはオンライン上で完結することができ、KYC情報がなかった場合にも検索結果をキャプチャ(印刷)、保管することでKYCチェックをしたという証拠にもなります。
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