DBTとIndustry DBT
Creditsafe(以下、CS)のレポートに記載されている支払情報にはDBTとIndustry DBTがある。
DBTはDays Beyond Termsの略で、遅延日数を示す。
Industry DBTは、業界の平均的な遅延日数を表しており、業界内において、当該企業がどの程度遅延しているのか比較できる。
またPayment Trendを見ることにより、遅延日数が改善しているのか、悪化しているのか傾向を見られる。
Creditsafe(以下、CS)のレポートに記載されている支払情報にはDBTとIndustry DBTがある。
DBTはDays Beyond Termsの略で、遅延日数を示す。
Industry DBTは、業界の平均的な遅延日数を表しており、業界内において、当該企業がどの程度遅延しているのか比較できる。
またPayment Trendを見ることにより、遅延日数が改善しているのか、悪化しているのか傾向を見られる。
下記の情報が件数や金額で表示されるので、仕入先に対する支払いの概要を掴める。
OutstandingとPaidの内訳はグラフで記載されており、視覚的に支払状況がよいのか、悪いのか、直感的に判断できる。
表記 | 意味 | 色 |
---|---|---|
Within Terms | 期限内 | 濃緑 |
0-30 Days | 30日以内の遅延 | 緑 |
31-60 Days | 60日以内の遅延 | 黄色 |
61-90 Days | 90日以内の遅延 | 橙 |
91+ Days | 91日以上の遅延 | 赤 |
詳細を知りたければ、レポートの最後に出てくる表を見ることで、具体的な件数もわかる。
支払情報は数字や金額が中心で、具体的な仕入先の業種や請求書別の遅延状況まではわからないようになっている。
詳細を記載しないのは、支払情報を提供する企業がCSに情報を提供しやすくするためである。
ご参考までにCSでは約7,000社の企業が支払情報を提供しており、年間約2億5千万件もの支払情報が集まっている。
支払情報は海外与信管理では重視される項目であり、企業によっては決算書よりも重視しているところさえある。
支払情報が決算書より優れている点は下記の2点である。
決算書が調査レポートに更新されるのには、時間がかかる。
たとえば、12月末決算の会社だとレポートに反映されるのは早くても3か月後、国によっては6か月以上かかることもある。
しかし支払情報は毎日更新しているので、調査対象企業の現在の資金繰りを知れる。
上場企業の決算書さえも、粉飾が大きな社会問題になることがある。
監査もしていない未上場企業の決算書の信憑性にはどうしても疑問が付きまとう。
一方支払情報は調査対象企業ではなく、その仕入先から情報を入手するため、改ざんのしようがない。
企業の真実の資金繰りを知れる。
業界の第一人者であり、弊社代表でもある牧野和彦が海外与信管理について、わかりやすく解説しています。
「すでに海外取引を行っているが、与信管理が正しくできているかわからない」
「これから海外取引をはじめるにあたり、参考となるものが欲しい」
このようなお悩みをお持ちの方へ、オススメします。
目次(一部抜粋)
#1 与信管理における海外取引と国内取引で異なる主なポイント
#7 債権回収における大きな違い、債権回収代行会社の存在(1)
#8 債権回収における大きな違い、債権回収代行会社の存在(2)
#9 遅延債権と回収率の相関~90日遅延すると回収率は○割になる~
#16 企業の資金繰りが見えてくる支払情報
#25 海外取引における危険な兆候
#27 海外取引における電話での催促~具体的な約束を言わせるコツ~
#33 裁判外紛争処理の一種、仲裁(Arbitration)とは
#34 海外与信管理における訴訟の留意点
#35 外国人弁護士起用の留意点
#36 海外の取引先が倒産したら