海外の場合は取引銀行の違いによる垣根がほとんどない
日本と同じように、海外でも銀行に取引先の銀行との取引内容を照会するBank Reference(銀行照会)という商習慣がある。
日本と海外との違いは、メインバンク制がないことである。
日本で照会を行う上では、自社メインバンクの支店の担当者などを通じて、取引先の支店の担当者を紹介してもらうことが多い。
まったく取引のない銀行にいきなり電話をかけて、取引先の取引内容を教えてほしいと依頼しても、門前払いを食うだけである。
しかし海外ではメインバンク制度がないゆえに、取引銀行の違いによる垣根がほとんどない。
もちろん、日本企業だからといって、差別されることもない。
こうした意味では、日本企業ももっと積極的に銀行照会を活用すべきであろう。
そのためにも前述のCredit Application(与信取引申請書)をうまく活用して取引先から直接、取引銀行の担当者名や電話番号や電子メールなどを入手する工夫が必要になってくる。
照会する情報は以下などを聞くといい。
- 借入の有無
- 借入金額
- 弁済遅延の有無や期間
- 担保や保証の有無
もちろん、銀行も正確な金額を教えてくれるわけではない。
ある程度の金額の範囲や桁数を教えてくれるだけだ。それを元に、おおよその金額を推測することになる。