遅延期間が1年を経過すると、回収率は2割弱まで落ちてくる
遅延債権と回収率は反比例している。時間の経過とともに回収率は悪化する。
米国の債権回収代行会社の業界団体データによれば、90日遅延した時点での平均的な回収率は8割もない。
ここでいう回収率とは、件数に対するものではなく金額に対するものである。
つまり1万ドルの債権があれば、8千ドルは回収できるということになる。
ところが遅延期間が1年を経過すると、この比率は2割弱まで落ちてくる。同じ債権でも、2千ドル弱しか回収できなくなる。
早い時期に回収を行う必要性がおわかりいただけるはずだ。
実際、欧米の企業では、90日を一つの目安として売掛管理を行う企業が多い。
90日を経過した遅延債権は基本的に、自社での任意回収をやめて、債権回収代行会社などに回収を委託するのだ。
経験則からそのほうが、回収率が高いことを知っているからであり、自社の与信管理規定にそのように定めているからだ。
海外で遅延債権の回収を行う場合には、90日の考え方を日本企業も参考にするとよい。